アクティブラーニングを考える

~授業実践や雑感など(亀倉正彦)~

ALの階層性 - 教員個人なのか?プログラム/学部学科なのか?

10月3日に大学教育学会のルーブリックのイベントに参加した。そこで率直に感じたことの一つがALの階層性であった。

◆アクティブラーニングやルーブリックを一例として挙げよう。現在のところ、これらは一つ一つの科目における「学生の学び」に焦点を置くことが多く、いわゆる「現場教員の階層」に関することとして、かなり話題が広がっているし、そして深まってきているように見受けられる。
◆だが、学生の学びは、大学なら4年間を通じてどう蓄積してきたのかが大事である。これは一つの科目の次元では捉えきれるものでなく、科目と科目の前後順序などのつながりや組み立てをする「カリキュラム(教育全体の組み立て)」に焦点がシフトしてくる。これはいわゆる「学部学科のプログラムの階層」に関わる問題として、ますます注目を集めるようになってきている。
 
アクティブラーニングやルーブリックに関する後者の新しい動きに違和感を感じているような声が一部に上がっている。これらのキーワードが極まるところ「学生のため」であることは否定されるべきではないだろう。これらの観点は、どちらか片方だけでなく、両方共に考慮すべきことだと思われる。もし前者ばかりを重視して、後者を蔑ろにすれば、将来にきっと禍根を残すことになるだろう。もちろんプログラムレベルだけで語るならば、今度は本末転倒になりかねない。マクロ的視角とミクロ的視角の両方とも大切にしたいものである。