アクティブラーニングを考える

~授業実践や雑感など(亀倉正彦)~

新年の抱負

新年明けましておめでとうございます。

 

連動して進めているFacebookページで昨年度の振返りを済ませました。以下のリンクをご参照ください。
https://www.facebook.com/masahiko.kamekura
一年の計は元旦にありとも言いますので、新年度の抱負を申し上げたいと思います。本ブログのタイトルをふまえて、アクティブラーニングに話題を限定します。

 

◆アクティブラーニング教育環境

 

 当面のテーマは「アクティブラーニング(AL)教育環境」にしようと思いました。それは、ALの失敗事例を継承するに際して、改めて成功事例では時として見過ごされがちな「プロセス」に焦点を当てることが大切だと考えるからです。プロセスについては様々な研究が進んでいます。ただ、アクティブラーニングのプロセスとして限定すると、まだまだ発展の余地がありそうです。失敗事例から学ぶべき「構造=行動=成果」*1を取り巻いている教育環境を明確にすることが重要ではないかと思いました。

 その背後にあるのは、「各クラス=プログラム=学部学科・全学」といった階層別にアクティブラーニング、ルーブリックなどは分類整理して論じるべきところがあるという思いがあるからです。これらの階層は、教育環境を立体的に図式化して把握することですっきり整理して論じられるのではないかと思っています。

 ここで学習環境ではなく、教育環境という名称を用いることには理由があります。私の個人的な考えになるかも知れませんが、前者(=学習環境)は学生中心の目線に立っています。アクティブラーニングはたしかに「学生がどのように学ぶのか」が中心の一つですので、このような学生の学習を成り立たせている環境要因を明確にすることもぜひ進めたいと思っています。

 これに対して、私が当面のテーマに掲げた後者(=教育環境)は教員中心の目線に立っています。アクティブラーニングの学びの「場」を整え、その学びに「責任」を持つ(=成績評価・単位認定する)のは、やはり教員(最終的には教育機関)ではないかと思っています。その教員がアクティブラーニング型の授業をデザインしていく上で、何を考慮に入れて組み立てるべきなのでしょうか。この中に、先述した学生の学びの環境も含まれるとともに、さらに広がりが生まれると考えています。このように教育環境を研究対象とすることは、学生の学びに責任を持つのは「教員(教職員)」であることを明確にしたいとの思いからでもあります。

 

以上です。今年度が本格始動する前に、自分自身の初心を忘れないためにもこの新年の抱負を記したいと思います。こうした関係の話題もこれからときどき出てくると思います。お気づきの点は、メッセージを寄せていただけましたら大変嬉しいです。

 

2016年元旦

*1:※近刊の『失敗事例から学ぶアクティブラーニング』をご参照ください。